ディアブラーダ
ディアブラーダとは?
ディアブラーダのディアブロ(Diablo)は悪魔の意味です。そのため悪魔の踊りとも呼ばれますが黒魔術的な訳ではありません。
キリスト教の善と悪の戦いを伝える内容ですが、土着の宗教とも結びついています。
ボリビアには元々自然信仰の土着宗教がありました。ディアブラーダはボリビアのオルーロとその周辺の音楽ですが、オルーロの名前ははウル(ウルウルが訛った)に由来すると言われています。
このウルとはウル族のことで元々この土地に住んでいた人々のことです。現在は数千人しかいないと言われています。
ウルには村を病気から救った女性の伝説があり、この女性が後に鉱山の守り神となったと言われています。鉱山の守り神はのちにキリスト教の影響もあり「ビルヘン・デル・ソカボン(Virgen del socavón)=鉱山の聖母」と呼ばれるようになります。
カーニバルはキリスト教の行事なのですが、オルーロのカーニバルはこの鉱山の聖母のためのお祭りでもあり、ここからも土着宗教との融合がうかがえます。
ディアブラーダの踊りは基本はキリスト教の善と悪の戦いが中心となっており、大天使ミゲル(ミカエル)と悪魔たちが対立し、降伏させるといった内容です。
特徴的なのは降伏した悪魔たちを鉱山の聖母のもとに連れていき平伏させるという点です。
【ディアブラーダの踊りの特徴】
踊りの衣装も非常に特徴的で悪魔のお面(被り物)がなかなかインパクトが強く、南米的な要素に加え、日本人から見ると中華風な雰囲気も感じます。
衣装やお面に電飾を付けることも流行っており、カーニバルでは日が暮れてから登場するディアブラーダのグループは壮観です。
【ディアブラーダの弾き方】
音楽的には三連符を貴重とした二拍子です。
人によっては6/8拍子で記譜することもありますが、南米に多い6/8と3/4が混ざったリズムとは違い、二拍子の要素がとても強いリズムです。
【ディアブラーダ弾き方動画】
ディアブラーダは実は弦楽器が非常に疲れるリズムでもあります。弾き方のコツやバリエーションの付け方などを解説していきます。
ディアブラーダの解説部分はFernando Cajillas de Vega氏の記述を参考にしました。
桑原健一
日本で数少ないプロ・チャランゴ奏者 1983年生まれ。2018年末まで合計10年間ボリビアで音楽活動をしていた。 2017年にはアイキレ国際チャランゴコンクール国際部門金賞受賞。 現在は日本初のチャランゴ系YouTuberとしても活動中。 現・東京リャマ計画、3人アンデス。 元・ワイラ・ハポナンデス、チュパイチャキス。