フォルクローレとは
日本でフォルクローレと言えば一般的には南米アンデス地方の民俗音楽のことを指します。
縦笛のケーナなどがメロディーを取り、哀愁漂う響きを思い浮かべる人が多いのではないかと思います。
意外と難しいフォルクローレとは?
前述の定義は大きく間違っているわけではないのですが、アンデス地方を有する国のアンデス以外の地域の音楽もフォルクローレに含めることがあります。
具体的にはボリビア、ペルー、アルゼンチン、チリ、エクアドルなどのアンデス地域を有する国の音楽が主ですが、これらの国の低地帯の音楽もフォルクローレと呼ぶこともあります。
しかしアルゼンチンのタンゴやミロンガは一般的に含まないなど意外と曖昧な定義であることが伺えます。
そもそも「フォルクローレ」の意味は?
フォルクローレは広義には「民俗」「民俗音楽」の意味です。
なので広義で捉えるのであれば「日本のフォルクローレは八木節です。」といった言い方もでき、スペイン語では実際にそういう言い回しもよく使います。
そのため南米の国々では「フォルクローレ」という漠然とした呼称だけでなく、「ムシカ・ボリビアーナ(ボリビア音楽)」「ムシカ・アンディーナ(アンデス音楽)」「ムシカ・ナシオナル(国の音楽)」といった言い方をすることも多いです。
どんな音楽?
フォルクローレと言えばケーナやサンポーニャなどの笛や、私のメインであるチャランゴなどを使った「素朴な音楽」という印象が強いかと思います。
一番有名な曲は「コンドルは飛んで行く」でしょう。
実はとても幅が広く、ほんとうに素朴な田舎のお祭りのためのもの、都会で踊るためのもの、他のジャンルとの融合を狙ったものまで、知れば知るほど興味深い音楽です。
誤解を恐れずに言うのなら、アンデス地方の音楽をベースとしたポップスと、そのルーツとなる音楽をひとまとめにしたもの。これがフォルクローレだと思います。
またフォルクローレとしてまとめられるジャンルの中に、たくさんのリズムと踊りが存在し、それぞれに違った魅力があることも知っていただきたいです。
ボリビア、ペルー、アルゼンチン、チリ、エクアドルなど広い範囲の音楽があるので、とにかく多種多様です。
きっとお気に入りの曲、グループ、リズムが見つかると思います。
桑原健一
日本で数少ないプロ・チャランゴ奏者 1983年生まれ。2018年末まで合計10年間ボリビアで音楽活動をしていた。 2017年にはアイキレ国際チャランゴコンクール国際部門金賞受賞。 現在は日本初のチャランゴ系YouTuberとしても活動中。 現・東京リャマ計画、3人アンデス。 元・ワイラ・ハポナンデス、チュパイチャキス。